世間を 常なきものと 今ぞ知る 奈良の都の うつろふ見れば
物言えば唇寒し秋の風
君子の交わりは淡きこと水の如し
山路来て何やらゆかしすみれ草
死ぬ時節には死ぬのがよく候 良寛和尚
何の木の花とは知らず匂ひ哉
あかあかと日は難面(つれな)くも秋の風
なに故ぞ粥(かゆ)すするにも涙ぐみ
かすみうごかぬ昼のねむたさ
降る雪や明治は遠くになりにけり
目には青葉 山ほととぎす初鰹
咲き満ちてこぼるる花もなかりけり
野ざらしを心に風のしむ身かな
菊の香や奈良には古き仏たち
さまざまの事思い出す桜かな
古池や蛙飛び込む水の音
秋深き隣は何をする人ぞ
石山の石より白し秋の風
この道や行く人なしに秋の暮
五月雨をあつめて早し最上川
旅に病んで夢は枯野をかけ廻る
夏草や兵どもが夢のあと
閑さや岩にしみ入る蝉のこえ
荒海や佐渡によこたふ天河
分け入っても分け入っても青い山
へうへうとして水を味わう
生死(しょうじ)の中の雪ふりしきる
もりもり盛りあがる雲へ歩む
中年や遠くみのれる夜の桃
バスを待ち大和の春をうたがはず
華麗な墓原女陰あらわに村眠り
極楽は赤い蓮(はちす)に女かな
忍ぶれど夏痩せにけり我恋はものや思ふと人の問うまで
秋の蚊のよろよろと来て人を刺す
柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺
猫老いて鼠もとらず置き炬燵
人間を笑うが如し年の暮れ
浜までは海女も蓑着る時雨かな
我が物と思えば軽し笠の雪
〜好きな和歌〜
秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども 風の音にぞ おどろかれぬる  (藤原敏行)

〜好きな漢詩の一節〜 
年年歳歳花相似 歳歳年年人不同  (劉希夷)

〜好きな禅語〜
百花春至為誰開ひゃっか はるいたって たがためにひらく
花開蝶自来はなひらかば ちょうおのずからきたる

見渡せば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮れ  藤原定家

春暮れて後、夏になり、夏果てて、秋の来るにはあらず。
春はやがて、夏の気を催し、夏より既に秋は通ひ、秋は即ち寒くなり、
十月は小春の天気、草も青くなり、梅も蕾みぬ。 徒然草

草いろいろおのおの花の手柄かな 芭蕉

月をこそ眺めなれしか星の夜の深き哀れを今宵知りぬる  建礼門院右京大夫

All the world's a stage世の中すべて舞台で, and All the men and women merely players男も女も皆んな単に役者にすぎない 
Shakespeare  確かに、そうだが名優は少ないな!