明けましておめでとうございます。
今年から昨年の(2002年)の忘れ得ぬことを書きます。

読書によって、教えてもらったことは沢山あるが、
日本の歴史の中で、
自分という枠組みを忘れて、
素直に未来を思い、
さわやかに、
そして、 たのもしく生きていった人物を物語ることで、
人間の生き方の基本を教えてくれた作家は、
司馬遼太郎さん以外にはいない。
来館者ノートに 「来て良かった。」 と簡潔に記した。

もともと中学生のころから読書は好きで、
20才代後半の頃から歴史小説を読みだした。
司馬さんとの出会いは、
「燃えよ剣」 が最初であったような気がする。
今でも覚えていることは、
終盤の辺りを読んでいて、胸の底から熱いものが沸き起こり、
涙が落ちて仕方がなかったことである。
(涙を流しているところを見られると恥ずかしいので 一瞬現実に帰って辺りを確認した。
新妻は風呂に入っているらしく湯船の音が耳に聞こえたので
続けて読み出した記憶が今でもある。27歳の頃であった。)


五稜郭まで来て、
これから先のことを、如何しようかと考えても如何にもならない状況の中で、
土方歳三の男の生き方や、
一緒にいた女性との別れなど、
自分の思いとは裏腹に、
すべてから、去って逝かなければならない辛さを
感じたのだろう。

2000年からの年賀状