過去の備忘記

2012(H24)年の備忘記

<過去の目録>
2012(H24)年
2011(H23)年
2010(H22)年
2009(H21)年
2008(H20)年
2007(H19)年
2006(H18)年
2005(H17)年
2004年以前の備忘記は
各分野ジャンルに掲載

<年月日ごとの目録>
2012(H24)年
12/23 会食:M夫妻開催
12/07 美術:院展
11/21 美術:日本美術の至宝
11/15 音楽:プラネットラヴ
10/27 聴講:金田一秀穂
10/26 文芸:芭蕉
10/23 音楽:庄司紗矢香
10/06 聴講:赤崎勇
09/30 美術:近代日本画
09/23 聴講:姜尚中
09/17 美術:古川とヤマザキ
08/17 美術:大エルミタージ
07/22 美術:日本美術の至宝
07/11 美術:中島潔
05/12 家族:誕生会
04/21 映画:Artist
04/20 美術:第67回春の院
02/25 音楽:アレクサンドル
02/11 聴講:ドナルド・キー
02/02 音楽:ヴァイオリニス
02/01 雑記:敬老手帳&パス
01/03 新年:(桑名)
01/02 新年:
    特記:心に響いた本


2011(H23)年
12/08 音楽:Adagio
11/19 観光:息子の結婚
10/05 衝撃:Steve Jobs
09/22 映画:アジョシ
04/22 映画:Amazing
04/17 観戦:東建ホームメイ
03/20 縁起:縁があって
03/12 映画:英国王のスピー
03/11 衝撃:東日本大震災
01/17 記憶:震災から16年
01/16 感動:大雪
01/02 新年会:
01/01 年賀:年賀状
ー昨年最も印象に残った言葉


2010(H22)年
12/08 西本智実ラトビア国立
12/08 Life art nouveau展
11/18 Amish 公開講座
11/02 庄司紗矢香
10/27 トリエンナーレ2010
10/27 チュニジア世界遺産
10/20 地球資源問題の現状
10/10 多様性の伝えかた
09/01 蜘蛛 待つことの奥ゆ
08/28 名古屋グランパス
07/13 邂逅7/13X7/31=∞
04/21 橋本聖子
04/10 長谷川等伯松林図屏風
03/07 北大路魯山人
03/06 映画Hurt Locker
03/01 映画インピクタス
02/18 大ローマ展
02/17 杉原輝雄 生涯現役
02/03 宝塚歌劇月組講演
01/11 日本の美と出会
01/02 映画Avatar


2009(H21)年
11/29 市民の「第九」
11/04 人の生き方について
10/01 ジャン=ギアン
08/08 ミュージカル
06/28 金沢市 兼六園
06/08 ゴーギャン展
05/13 世界金融の潮流と日本
04/09 京都 嵐山
03/26 名古屋大学レクチャー
03/16 田渕俊夫展
03/04 京都 世界文化遺産
01/15 モネ 「印象日の出」

01/11 庄司紗矢香
01/10 ガソリン1Lで
01/05 絹谷幸二 展
01/01 初日の出


2008(H20)年
11/25 立芸術大学管弦楽団
10/31 3rd Granddaughter
10/25 金美齢
10/12 2nd Granddaughter
08/02 東山公園テニスセンタ
07/27 名古屋港
07/26 八事霊園
07/25 中川運河
07/22 ナゴヤドーム
07/12 名古屋大学レクチャー
07/08 隼人池&日赤病
07/02 古文字と中国古代史
06/28 18世紀英国の庭園
06/26 ヤマモモ
06/24 My Yorkshire Terrier
05/28 芥川賞作家 諏訪哲史
05/24 上南交歓演奏会
05/20 つつじ
04/16 源氏物語
03/31 宝塚Me and My Girl
03/07 西洋の美日本の美
03/01 MOA美術館
02/10 ボストン美術館
01/12 ロートレック展
01/09 京都 北野天満宮
01/02 宝塚 紫門ゆりや


2007(H19)年
10/16 神尾真由子
08/24 第5回トヨタ輸送
07/25 小澤征爾音楽塾オペ
07/22 ドルチェ弦楽合奏団 
07/11 浜 矩子
07/07 日本アマチュアゴルフ
05/22 ダリ展
04/10 安野光雅の世界
03/22 シャガール版画展
03/21 上海老飯店
03/21 両洋の眼展
03/21 名古屋国際音楽祭
03/11 NHK 新日曜美術館
03/08 映画 Dreamgirls
03/04 ランの館 MIDLAND
03/02 人間力を育てる教育
02/17 耳順
02/09 日展
01/30 エルミタージュ美術展
01/14 熱田神宮
01/02 新年会
01/01 初詣


2006(H18)年
12/30 映画 フラガール
12/20 中野振一郎のバッハ
12/02 四大浮世絵師展
11/30 スクロヴァチェフスキ
11/29 エルミタージュオーケ
11/28 県立芸術大学 定期演
11/27 ゴルフ愛友会 京が野
11/13 ゴルフ 小原CC
11/03 MIHO Museum
10/11 県立芸術大学定期演奏
07/22 M氏 のHole in one
07/17 茂木健一郎脳と創造性
07/16 國弘正雄アメリカの品
07/15 中坊公平生きること
07/10 Golf 新陽
06/27 Niki de saint phalle
06/25 豊橋交響楽団定期演奏
06/07 ロシア交響楽団
05/25 ゴルフ 青芝会
05/22 映画Good night and
05/15 愛知県美術館木村定三
05/15 水野美術館所蔵の横山
05/12 ゴルフ 愛友会
05/01 ゴルフ シーズン到来
04/29 スキー
04/15 名古屋国際音楽祭
03/31 海 御前崎中田島砂丘
03/26 指揮者 西本智実
01/04
 映画Always 三丁目の
01/01 初詣


2005(H17)年
11/21 ソウル
11/02 徳川美術館
10/02 映画 蝉しぐれ
09/19 EXPO Asia POP
08/07 宇宙からの贈りもの
08/07 東山魁夷展 メナード
07/16 ボストン美術館の巨匠
07/13 EXPO アムール タカ
07/02 講演キートン山田
06/29 知られざる昭和篠田正
05/29 EXPO 青春のグラフ
05/25 名古屋市バス 大人と
05/19 蝉しぐれ 藤沢周平
05/18 ルーブル美術館所蔵 
05/14 祖父になる
05/04 自然をめぐる千年の旅 
04/21 EXPO
04/05 平成の洛中洛外 平山
03/26 宝塚歌劇マラケッシュ
03/04 講演可能性をつくる
03/04 万国博覧会の美術
02/28 上海  写真集
02/15 ロートレックとモンマ
02/12 映画 Ray
02/09 第36回日展
01/03 鍋パーティ
01/01 初詣



2012.12.23日 M夫妻開催

A三姉妹の家族や親族縁者全員(風邪の2名を除いて)が一斉に揃って会食をする機会を、M夫妻が作ってくれました。

全員が一同に揃うことは十数年ぶりだと思います。
新たに加わった人や誕生した人、皆んなの顔を眺めていると、40年の変遷を感じました。

偶然な男女の出会いから、結婚へと進展し、次の世代を担う子供が誕生し、その子供達が一社会人として独立し、家庭を持ち、私達が歩んだ道と同じように歩んでくれていることが、
親達にとっては一番の親孝行だと感じる年頃になりました。

何と言っても、この40年間、何かに付けて、亭主族をも巻き込み、冠婚葬祭や催し事や会食など全てに、中心的役割を担ってくれたのは、他ならぬ女房族の三姉妹です。
(そして、このようなことに寛容で理解ある人柄の良い亭主族がいた事も付け足しておきたい)

個人的には、次世代の子供達も、このような関係を持続してくれることを願っています。
 


2012.12/07金 再興 第97回 院展 松坂屋名古屋店

お客様を魅了する惹きつけるものがないと単なる絵
画材があって、画家がいて、鑑賞者がいる、
平和で安定しているからこそできることで、
院展は、国の状況や総合力を表している、と思った。
それと、
何を描いているのか分からない作品が多いとも思った。
鑑賞者に、訴えるもの、感じてほしいものが描かれていない。
ー「秋桜花」菊川三織子ー  制作者の心情や内面、心の形が描かれていない。
例えれば、水が入っていないコップのようで、何かが足りない、役割を果たしていない作品が多かったような気がした。

THE ART OF GAMAN
なぜ、そんなことを思ったかと言えば、
先月11/18、NHKの日曜美術館で、THE ART OF GAMAN=我慢の芸術を見たからだ。
GAMANの芸術 戦時下に刻まれた不屈の魂|NHK 日曜美術館
作者は日系アメリカ人、強制収容所内で、あるものだけを利用し作品を制作している。

私たちは、台風が来ても大雨が降っても、やがて晴れる日が来ることを知っているから、不安を感じることはない。
しかしながら、どうしようもなく、いつまで続くか分からない、全く見通しが立たないとなると、不安になってくる。
そのような状況下でも、自暴自棄にならず、芸術作品を制作しようとする絵心があったと言うことは、日本人が持っている我慢強さ、食べて行けさえすれば何とかなると言う考え方「吾唯足知」、自然と共に生きる知恵があったからに違いない。


拘束され隔離され、物質的な乏しさの中でも、心の豊かさがあったからこそ、できたことなのだろう。(どん底を経験し、そこから這い出すためにアメリカへ渡った人たちだけに、強い精神と逞しさが根底にあったことは言うまでもない)

芸術=Artとは苦悩と等価交換される本質を持っているように感じた。

ー「満鉄アジア号」小山硬ー
なぜか、この絵に、心が動かされた。
見た風景ではないがノスタルジックNostalgicなものを感じた。
起源があるのかもしれない。

ー「残照阿蘇」伊藤一善ー
この絵も、惹かれた。
他の絵にはない、何かを感じた。
青系と白系の二色の色彩が、自然と人々の共生の様子が、山と畑の風景が、そうさせたのかも知れない。


 


2012.11/21水 ボストン美術館 日本美術の至宝|名古屋ボストン美術館 後期

前期、後期と分ける必要はない、単に営利重視だけのような気がした。

白波

尾形光琳の松島図屏風だけは期待して観たが、
紅白梅図屏風に比べると、かなり劣る感じがした。
ただ、一つ感じたことは、白波の形が、
冨嶽三十六景の神奈川沖波裏に描かれている波の形とよく似ていた。
葛飾北斎は松島図屏風を観たのではないかと思った。

生と性
曾我蕭白の龐居士・霊昭女図屏風(見立久米仙人)を観て、
この時代にしては面白い構成だなと気になった。
若い娘が股を見せ、老人が怪しい目つきで注視している。
解説を読むと、

「中国唐代の隠者龐居士とその娘霊昭女を描いたとされるが、その好色的な眼差しは、女性の脛に見とれて法力を失った久米仙人とも見える。曽我蕭白の皮肉な眼差しが読み取れる」と。
確かに、
文学でも、この種のことは題材になる。
伊藤整の「変容」
泉鏡花の「高野聖」
川端康成の「眠れる美女」などと限りない。
老若男女、性の達成感が生の充実感へと結びついている。
が、老いとともに、生と性への限界を感じるようになると、それへの執着がより強くなるようだ。

生物には生命と種の維持存続がProgrammingされているが
人間には多様なSubroutineやAccidental Entryが組み込まれている唯一の生物でもある。

 


2012.11/15金 プラネット ラヴ in popcorn
 

犬友
犬を散歩させていると、同じように犬を連れて散歩している人に出会うことがよくある。
そんな時は、先ず犬の相性が決め手になるが、
犬同士が尾っぽを振りながら近づいて、糞尿排泄辺りの臭いの確認をし合うようだと、飼い主同士も犬の話から始まり色んな話に発展することがある。
勿論、暇で、お互いが社交的というか、話し好きでないと難しいが、そんな条件が揃うことがある。
そんな人に出会えたときは、話が弾み散歩ではなくなるが、飼い主としては楽しいものである。

数年前になるが、その様な出会の中で、ボーカルとキーボード奏者がいた。
また、別な場所で琴の演奏者との出会もあった。
まさに犬友である。

今回誘われてライブLiveに行ったが
本当に人は見かけによらないものだと思った。
また、どんな楽器でもいいから演奏できると、人生を変えてくれるものだともつくづく思った。

仕事、趣味、スポーツ
学生時代に、ある人から聞いたことだが、
仕事と趣味とスポーツをバランスよくこなせば
必ずや訪れる人生の喜怒哀楽にきっと役立つと。
 


2012.10/27土 金田一秀穂 言葉の能力
 

ざっくばらんに振る舞える人は実力があるからだ

開場待ちが1番だったので、演壇の真下の最前列の席に座った。
入場されて話し始めるやいなや演壇から降りてきて、私の目の前で1時間半、喋られた。

身なりや格好など全く気にせず、本当に気さくで、極普通のおじさんのようだった。
手が小さかった。(労働者の血筋ではなく、文筆学者系の血筋だ)

大学教授らしく、いつも素直な学生たちと接し話しているような環境から作られた人格というか人柄のようなものが出ていてた。

名門の金田一だし、言葉について相当期待して行ったのだが、肩透かしにあったような感じだった。
南山の育友会が主催で女性が大半だったので、一般的な家庭で起きることなどを中心に聴衆に合わせたような内容だった。
日本語という語学を親子孫三代に亘り研究されて確固たるものをお持ちだからだろう、諦観で超然とした人が持っている、有るがままの姿だった。

・努力でできるものではない好きで没頭する(フェルマーの最終定理を解いたアンドリューワイズ)
・TVや新聞、著名人などを真に受けるのではなく、自分の頭で考えなさい
・文章を書く場合、読む人(夏目漱石が読む)を思って書くこと
・絆だとか癒しなどの漢字が軽々しく使われている、そんなに簡単に使える漢字ではない
 


2012.10/26金 芭蕉展 名古屋市博物館

十七文字、短文ほど深い
五七五による文字の世界も深い、と思った。
いろいろと知らないことが多く教えてもらった。

 

滑稽が俳諧になり文芸になったようだ。
確かに、俳諧の世界を楽しむには、それなりの語彙や、それを操る教養なくしては、できるものではない。
さらに、人々を知り、物事を知り、情景を知ることも必要で、それには周りを観察できる心の余裕や許容なくて叶うものではない。
 

文芸も江戸時代には成熟していたな、と思った。

成熟するには、人々や物事や情景が文字で見えることである。
その場の心情や情景が短い文字の中に、我が思いと同じ心情で表現されていたり、情景が目に写る形で表現されていたりすることで、同感する共感するところがあるから染みてくる。
それだけではなく、成る程と心に響く滑稽さも必要で、まとも過ぎては面白くないところもある。(欧米のユーモアHUMOR)

月日は百代の過客にして、行きかふ年も又旅人也
文も上手いが、筆も上手い。天は二物を与えている。
 

芭蕉にも憧れる人がいた
西行の和歌における、
宗祇の連歌における、
雪舟の絵における、
利休が茶における、
その貫道する物は一なり。
 

憧れる人がいると、
その人に近づきたい、その人の側にいたい、その人のようになりたい、などの気持ちが働き、
レスペクトRespectしてくると同化するところがある。


かれえだに からすのとまりけり 秋のくれ
古人は言う
風情だなぁ 本当に 何も言うことないね
新人は言う
枯枝はLarge、M、S? カラスは何羽? 秋は晩秋、秋の暮?

曖昧だなぁ 確かに マニュアルにも無いし 何も言えないよね
 


2012.10/23火 庄司紗矢香&ジャンルカ カシオーリ デュオリサイタル

ステージに現れた時、変化があったなと、すぐ感じた。
ほぼ2年ぶり、少女らしさがなくなっていた。
29才、演奏中も女性を感じさせる目線や動作があった。

プログラムは
・ヤナーチェク:ヴァイオリン・ソナタ 
・ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第10番 ト長調 op.96
・ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ ト短調
・シューマン:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 ニ短調

移り気
私には
、仕事をしていても、読書をしていても、会話をしていても、 飲食をしていても、
流れている音楽の方へ気が移ってしまうことがある。
好きな旋律というか、リズムというか、音色みたいなものが耳に入ると惹きつけられる。
勿論、コンサートホールでも、
今回は、
いずれの曲も感じさせてはくれなかった。

と言うことは、当然だが。
音楽の主役は、楽器の音色の良さや、演奏者のテクニック、演奏会場などではなく、作曲家の楽譜がすべてである。
創造したもの(曲)が優劣を決めてしまう。
ただ、
優劣を判断する感性には、好き嫌いや相性、考え方など、沢山あるだろうが、
やはり多くの優れものを体感(聴き)し、判断材料を豊富にしておくことが大切だろう。

まあ、何駄感駄と言っても、
情報は溢れ、好きなことや望むことがあれば何でもできる。
いい時代を生きていることは、確かだ。
 


2012.10/06土  赤崎勇 青色LEDが 拓いた光の革命 

難しい!
半導体の話になってから、用語の意味がわからなくなり、ついて行けなくなった。
こつこつと一人荒野を行く心境で試行錯誤を重ねながら、達成されるかどうか全くわからない研究に20年、
更に実用化に向けて効率や精度を上げることに10年。

確かにブラウン管から薄型テレビへのように、パソコンにしろiPADやiPhoneにしろ、その他多くの分野で便利に利用している。
先生が言われるように、
技術課題が新しい科学研究を導き、科学の発明発見によってが技術革新が起きる。

私なんか、いや殆んどの多くの人は、尤もらしく、ああだこうだと言ったり書いたりしている。
しかし、科学技術の分野で研究する人には真理の探求が全てで、どんなに願ってもNoのものはNoと結果がでてしまう。
そうなると、もう一度、最初からやり直しで、それの繰り返しである。
Computerをやっていたので、ほんの少しだが、その挫折感は分かる。

自分の望む結果がYesとでて、本当に嬉しかったに違いない。83才いい顔をされていた。

Experience is the best teacher. 

が印象的な言葉だった。
 


2012.09/30日 近代日本画を築いた巨匠たち ー横山大観から平山郁夫までー
 水野美術館コレクション名品展 岡崎市美術博物館

加山又造 千羽鶴    平山郁夫 静夜鹿苑時金閣

 

 

横山大観 無我 1897年作

 

大山忠作 蓬莱朝陽

岡崎市美術博物館は山の上にあって岡崎市内が一望でき、周囲には公園が広がっていた。

水野美術館所蔵の美術品は2006H8年5月にも観ていたが、
今回、新たに目に止まった絵画は、大山忠作の蓬莱朝陽と、加山又造の千羽鶴でした。

蓬莱朝陽は、縦209横148cmで迫力十分、何か自分が映画アバターAvatarになって空中を飛びながら眺めている様な気持ちになってきた。
私は観た時、何かを感じさせてくれる絵が好きです。
この絵はまさに自分が鳥になって鳥とともに上空を飛び回っているような爽快感を与えてくれます。
謂わば、出来ないことを出来ているような気分にさせてくれるところが好きです。

千羽鶴は、大気の渦に巻き込まれている不動の月、大気に乗って浮遊している鶴たちの群れ、普通ではありえないような色彩と構図の中に、流れ渦巻く空間を描き、静と動が融合したように表現している。
空間の中で渦巻いている大気を描くことは難しいが、鶴たちが渦巻くように飛翔している構図が、それを感じさせてくれる。
 


2012.09/23日 姜尚中 「悩む力、生きる力」 名城大学Day

2009年の4月から2年間、日曜美術館の司会をされていた。温厚で物静かというか、少し陰気さを感じさせる性格の中に、感性の鋭さを持ち合わせていながら、作品を創造する職種ではないだけに戸惑うところがあったように思った。

今日も相変わらず穏やかな口調ではあった。が、姜尚中の人柄というか誠実さがよく出ていた話で、久々にいい講演を聞かさせてもらった。

私が一番印象的だったことは

姜さんが「日曜美術館で気が付いたことだが、名作と言われる絵画を描いた画家の殆どが、貧乏で、自分に悩み、苦しみ、不遇な人生を送っている」と言われたことだ。

確かに、画家に限らず、世に影響を与えたような人物は、何らかの事で、悩み苦しんだ人が多い。
豊かでほかほかるんるん、ハミングバードHummingbirdをしているような人ではない・・・。
人間、苦しみ悩み、どうしようもない状況に成らないと本気になれないし、他者からも認めて貰えるようにはなれないのだろう。
後藤静香の言葉を想い出した。
本気ですれば、大抵なことはできる
本気ですれば、なんでも面白い
本気でしていると、誰かが助けてくれる

話の内容は多岐にわたっていた
・工学系の優秀な男子ばかり集めて商品を開発しても自画自賛型自己満足商品でニーズや世界で通用しない商品になってしまう。それが、まさにSONYのウォークマンだと批判されていた。
確かにiPadやiPhoneなどの後追いの物真似ばかりで想像性がない。

(いつもの余談の私見)
日本は1億2000千万人の豊かな市場があるから、その中で持ちつ持たれつの関係を作って、そこそこに成り立ってきた。そこに原因がある
それならどうすればいいの???と ムキになる人がいるだろう。
歴史からみれば、ポルトガルやスペイン、イギリス・・・、やがてアメリカだって日本だって
いずれ、いつの日かBRICsだって同じようになる。
日本は日本としての身の丈で生きれば良いのではないだろうか?
所謂、そこそこで良いから今の原因を貫く
だって今更、欧米人のような真似ができる日本人じゃあないしね。
(人間、口で言うほど簡単に変化できるものじゃあない)
日本は戦後、坂の上にある雲を目指すように、豊かさを求めて汗だくになりながらマラソンをしてきたような気がする。もう、そろそろ平坦な道を散歩をするようなスロー歩行をしてもいい時期だと思う。
国民皆んなが幸せを感じる方を優先し、GDPが10位(カナダ)でもいい、
助け合えば、できないことはないはずはない、日本の得意とするところだから。

・若者の多様性がすすんでいる。スポーツ界や芸術、建築設計・・・、マニュアルや規律規約型から脱皮し、自己実現やクリエーターとして自由に自己表現ができる海外で活躍する若者が増えていること。

・一方、イギリスやアメリカへの留学生が減っているのは、その国と同等な学術レベルになったからだと言われた。
が、私は外国を体験することに賛成で、日本の良さも分かると思う。
漱石の話が何度も出たが、事実、漱石もイギリスで悩み苦い経験をしたからこそ、著名な作家になれたと思うのだが・・・。

いろいろ話されたが、考え方として私の考え方と殆んど大筋で一緒だったし、このHPで書いていることが幾つもあった。
・上記したSONYのウォークマンの話などは今年の年賀状に書いたことだった。
(ま、賢い人だから、万人向けに話されたのかもしれないが)

夏目漱石は青葉時代に殆んど読んだが、枯葉時代になってもう一度読み直して見ようかとも思った。
 


2012/09/17月 古川美術館 と ヤマザキマザック美術館

敬老の日の特典
なんと、この2つの美術館は敬老の日に限って普段は1000円のところを ”無料”!!!
と言うわけで、少し気兼ねをしながら入口に行ってみると、私よりもかなり先輩の爺婆が気兼ねな素振りなど全くなく当たり前のような面で、うじゃうじゃ。 何となくほっと! まだ初心者マーク。

昔、古川美術館は行ったことがあるのですが、今日は”東海の画家”が展覧されていました。
凄く気に入った日本画があったので80円の葉書を買いました。掲載します。

 嶋谷自然 土用 The dog days  




ヤマザキマザック美術館は2010年4月に開館した新しい美術館で、初めてです。
何もかも新鮮です。展示物はロココ時代の古いものから・・・。
儲かっている企業だけあって違いますね。

私の美術鑑賞の持論(何度もHPに書いていますが)
解説を一切読まず音声ガイドも一切使わないで、
一通り最後まで絵画をしっかり観る
もし、「どれか一つ持って行ってもいいよ」と言われたらを想定して、
もう一度、入口に戻り自分の一番好きな絵画を選びます
今日はこれです。クロード・モネの<アムステルダムの港>1874年。
ひょっとしてお声が掛かかるんじゃないかと期待しながら・・・。
いつものように何事もなく、出口でした。

来年も、こういう機会に恵まれることを願い感謝しています。

昨夜は長男夫婦が、今夕は次男が出張中なので嫁と孫が来てくれました。
もう少し長生きしたくなりました。
 


2012/08/17金 大エルミタージュ美術館展

大はいらないだろう
300万点もの作品を所有する美術館だから「大」を付けたのだと言われても、たったこれだけの展示数で、それはないだろうと言いたい。敗戦と言わずに終戦というような姑息さが・・・

印象派

フランス革命による民主化と、写真機(カメラ)の出現は、絵画の世界に大きな変化をもたらしたといっても過言ではないだろう。
映画アーティスもだ。

ルネッサンス以降、
神のしもべとして存在する人間ではなく、人間が主体であり主役なのだという意識が芽生えてきたことで、人間が持っている能力を啓蒙するなどの考え方が一般大衆の中にも徐々に浸透してきた。
考えることで、
自然界の不可解な不思議な現象は「神の創造」で片付けられてしまう時代から、科学的な理論で証明する時代になってきた。
これが発明や発見を発展させ、イギリスの産業革命やフランス革命へと、歴史的な転換へと結びついていった。

絵画の世界も免れなかった。
宗教絵画や貴族社会のパトロン依存型の写実絵画が終わり、人間が本来持っている思考や感性を重視した抽象絵画への転換である。

上から、モネ、セザンヌ、マチス
・感じた印象で描くモネの、インプレッショニズム。
・多角な視点で描くセザンヌの、キュビズム。
・形式の枠組みから逸脱した感覚で描くマチスの、フォーヴィズム。

北斎や広重は白眉、天才中の天才
確かに、印象派のズム主義で視界は広がったかもしれないが、それがどうしたである。
たくさんの西洋絵画を見てきたが、
北斎や広重には、全く及ばないと思っている。(日本だからの、ひいき目はない)

浮世絵は
1.その手法で卓越している。
場面々々をレイヤー(Layer)で捉え、それをシステム一元化する
。他に類を見ない。
(この手法は現在のアニメやデザイン、CG製作にも応用されている)
2.その図柄で卓越している。
想定外の遠近法でダイナミック動的な空間構成で誇張した自然現象の捉え方で墨絵と絵具を融合した色彩感覚でその場の有様や状況を成る程さすがと思わせてしまう描写などで、観るだけで全てが分かり頷いてしまうが、飽きさせない。
きっと、
富嶽三十六景東海道五十三次を初めて見た西欧人は、驚嘆したに違いない。
それらだけでなく、
日本人の持つ、趣や粋などの、心の美意識と相まって、西欧でジャポニズムとまでなった。

元に戻って、上の絵画では
・モネのウォータールー橋が好きだ。(フランス語でワーテルロー:ナポレオンが敗れた)
理由は視界の広さと奥深さ、それと全体を包む品のある色彩である。
(余談:この橋は、映画「哀愁」原題Waterloo Bridge。戦争に翻弄された純粋で悲しい映画だった。
ロンドンに行った時、ロバート・テイラーのつもりで、この橋を歩いた。
遠くに小さなビッグベンが見えた)
 


2012/07/22日 日本美術の至宝 前期 名古屋ボストン美術館

師匠は中国
日本は中国を師匠として学んできた、と思った。
当時の仏陀や山水画を見ていると、如何に真似をして近づこうとしたかの様子がよく分かる。
もうこの時代から、日本は何処かの国を、お手本にして学び、生きていく国なのだ、と思った。

散切り頭を叩いて見れば文明開化の音がする
が、明治になって、それが欧米に移った。
そのため、今までの文化を捨て、新たな文明へ開化しようとして、廃仏毀釈のようなことをした。
まあ、新しもの好きというか、優勢なところへなびくというか、その様なことは当然のことかもしれない。

岡倉天心は文化遺産の先駆者

ただ、そういう時代の流れの中でも、
歴史の中の文化遺産として残さなければならないと思って、
一人奔走し行動したのが岡倉天心であった。
彼には、美術は至宝であり、国としての象徴である、という考えがあったのだろう。

象徴が表わすもの
芸術文化が国のステータスstatusであるという考え方は、単に技術力が高いとか、GDPが高いとかだけでなく、そこで生きる人の心構えや、文明を意味し、象徴でもある。
象徴としての高さが、その国の恪を表わす、と言っても過言ではないだろう。

国は芸術文化に象徴される
富国強兵をし西欧列強と肩を並べられる国にしなければならないと考えた人たち、
そして日本独自の文化や芸術を維持し将来へ繋げるべきたと考えた人たち、
いずれも愛国者であるが、
両立させることができなかった時代であったのかもしれない。
いや、世の中、岡倉天心のように一人異論を唱えるよりも、優勢な方へ付いて皆んなと一緒になっていた方がましだと思うのが普通である。
が、
岡倉天心は
国家(人)のステータスは
富国強兵だけにかぎらず、
芸術文化に象徴されるという主張を貫いた。

芸術文化の開花は、国や人の豊かさを意味する
安定しているには、一輪車よりも二輪車、二輪車よりも三輪車、三輪車よりも四輪車である。
国家にしても、人にしても、四輪の一つの輪が、芸術文化であることは言うまでもない。
例えば、
花が咲くためには、土地が肥えていて、水が豊富で、日当たりが良いところでなければ育たない。
芸術文化の開花も同じで、
条件が整っていて、造詣や審美する豊かさがあって、嗜(たしな)める平和と安定があるから育つ。

欧米に、ただ者ではないと思わせた日本の存在感
たくさんの美術が海外へ流出してしまったが、

流出したことで、日本という国の存在感を大いに上げたことは間違いなく、
そういう意味からすれば、役割を果たしたといっても過言ではない。

Museum of Fine Arts  Boston USA
1992年アメリカのボストン美術館へ行って堪能したことがある。

古いから至宝であるとするには?
アメリカから見れば One of them.

歴史は勝者がつくり、時代の目撃者となる

 


2012/07/11水 中島潔生命の無常の輝き」展

曲のイメージ画
NHKの番組「みんなのうた」で、曲のイメージ画として見たのが最初である。
その時の印象は、
幼い子供が田舎の風景の中で、あどけない表情をして、童謡のままに戯れている様子が描かれていて、
田舎で育った者でしかわからないような仕草が何とも言えず、
幼いころを思い出しTVの前でにっこりした記憶がある。

生い立ち

それから、何年か経って、中島さんの生い立ちを何かで知った。
家を飛び出し、一人で生きていくことは、感受性の強い若者にとって生易しいものではなく、寧ろ余程の気概なくては成就できるものではない。
が、描かれた絵や色彩を観ても、中島さんの顔付きや表情を見ても、人柄の良さや誠実さが出ていて苦難な人生があったとは想像すらできない。きっと、それは中島さんの心の芯のところに真面目さや素直さ、強い決心が居座っているからだろうと思った。
(私にも小学生時代に辛い時期があって、図工の授業に描いた絵が、色彩だけでなく何もかもが暗いと先生から言われたことが何度もある。絵は心情を表していたし、顔も心も暗かった)

以前、クローズアップ現代に出演されたとき、
キャスターの国谷裕子さんが中島さんの人生の歩みを聞きながら感涙されていた。

いろんなことがオーバーラップOverlapしていたただけに、今回どうしても接してみたかった。

すべてが母につながっている

1980年以降の作品からは、のどかな風景と子供心そのものが明るい色彩で描かれていて、中島さんらしい暖かい画風がはっきりと表現されていた。

中島さんには、いつも心の中に母がいる、と思った。
幼い頃は、母がすべてであり、それは故郷でもある。
きっと、母によって画家としてのモチーフMotifを見つけ、
進むべき道が見え、居場所が見付かったように思えた。
すべてが母につながっている。
また、最近の作品には、画家として新たな挑戦をしている様子も感じられた。

絵が人に与える、原点みたいなものを感じた
特にメルヘン(童話)やノスタルジックNostalgic(郷愁)な作品は、童謡の歌詞や曲を思い起こし、幼いころ遊んだ田舎の風景やイメージImageと相まって、
まさに、あんなふうだったなあと懐かしく、子供に帰った様な日にさせてもらった。
 


2012/05/12土 誕生会

 集うということは、元気を貰うようなところがあります。
食べて飲んで喋ることが元気の素ですね。

食べる楽しみ
それぞれのファミリーFamilyが持ち寄ってくれるようになったので、「違いの分かる」爺さんになるよう心掛けていますが・・・。
今回は特に
帰国中のアメリカ在住の社長夫人が、巻き寿司をつくってきてくれました。
アメリカ仕込みで実に旨い!?
人のことは考えず口に運びましたが、一番人気で皆んな我先でしたね。

楽しむ、について
これを知る者は、これを好む者に如かず。
これを好む者は、これを楽しむ者に如かず。「論語」

最近ロンドンオリンピックに選抜された選手が「楽しんできます」と言っているのをよく聞きます。
確かに、仕事でも遊びでもスポーツでもそうですが、楽しくてしょうがないという人は、できますね。
知っているとか、好きだとかは、まだ未熟者だ。
 


2012/04/21土 映画 Artist

 アカデミー作品賞がフランス映画に与えられたのは初めてである。本来は外国語映画部門としての扱いだろうが、無声映画として扱われた。
が、前例や慣例、外国だからというようなこともなく、枠に囚われず良いものは良いとする考え方が感じられ、アカデミーがますます好きになった。
最初に映写機(無声)を作ったフランス、トーキーへと導いたアメリカ、両国とも相譲らずいい映画を今も送り続けている。

見る楽しさ
言葉はお互いの意思の疎通やコミュニケーション、あるいは情報の伝達など、社会の中で必要不可欠なもので大切である。
が、この無声映画を観ていて人の心の内面までもが見えた。
言葉を越えて表情や態度、仕草など、人が持つ表現が如何に大切かがわかる。
昔から「目は口ほどにものを言う」という諺があるように、目も大切である。

いつもの余談
・老子が「知る者は言わず、言う者は知らず」と言っている。
本当の知恵者は口にする言葉は少なく、ことば数の多い者は知恵のないものであると。

・世阿弥の「風姿花伝」で能の奥義について
秘すれば花なり、秘せずは花なるべからず」と言っている。

・言葉で表現できない核心の部分がある
コンピュータのハード、ソフト、システムに携わってきて、一番大事なことは何かと聞かれればセンスと答えます。
Sense(物事の感じや味わいを微妙な点まで悟る働き)は、工芸や美術、スポーツ、物作りの職人の世界でも一番重要だと思います。
言葉では説明できない部分とは、手ごたえ、こつ、秘訣、真理などの感覚です。

無声の犬
忘れてはならないことがある。
言葉を持たない喋れない犬が、この映画の中で無声の役犬として見事に演じている。
この無声映画の意味を引き立てるために犬を出演させたことにオチがある。素晴らしいワン。
(ヨークシャーと12年付き合っているが賢犬だ。が、トーキーだけの駄人の多いこと)

情は人の為ならず
ストーリとしてはありふれている。
が、人生を長く生きて来た者の視点から観れば、人の世の栄枯盛衰や喜怒哀楽を感じる。状況や環境は全く異なるが、自分のこととオーバラップして感じるところもあった。(まさに平家物語や方丈記)
映画で言えば「ライムライト」や「サンセット大通り」「イブの総て」「永遠のマリア・カラス」を想い出すところがあった。

技術革新
世の変転は新技術に起因しているところがあり、必要とされる人材の条件を一変させてしまう。
歴史を振り返って見ると、剣から銃へ、人力から蒸気機関へ、馬から自動車へ、木材から石炭へ石油へ、ソロバンから電子計算機へ、そのたびに多くの人々が翻弄されてきた。
(この映画で言えばサウンドトラックの出現)

得意技あり
ジョージは、サイレント映画で要求されたパントマイムのような演技でスターになっていたが・・・。
得意なタップダンスは
軽快な動きとタップ音で、トーキーに要求される演技とサウンドの調和そのものであった。
Perfect!
 


2012/04/20金 第67回 春の院展

 春になったせいなのか、平日にも関わらず桜見物のような混雑でした。しかも中高年爺婆ばかり、と言っても自分もそうですが・・・。

岡倉天心の志あり

日本美術院だけあって本当に全てが素晴らしい、甲乙つけがたいく優秀作品を選定する審美眼は一体何にを持って、何に価値を見出して選択するのか分からない。私にはその才がないと思った。

日本画の持つ岩絵具(顔料)の色の種類が増え、女性の画家も増えた気がした。
きっと岡倉天心は自分の思いがかなっていて、天から心よく喜んでいるに違いない。

天心が言った好きな言葉

・日本美術院創設にあたり
芸術の自由研究を主とす。故に教師なし先輩あり。教習なし研究あり」と宣言した。
・「変化こそ唯一の永遠である
・天心の「茶の本」P32にある「不朽は永遠の変化の中に存する」という道教の思想は好きだ。
 


2012/02/25土 アレクサンドル メルニコフ ピアノリサイタル
 〜ショスタコービッチ:24の前奏曲とフーガ(全曲)〜

 何一つ文句のつけようのない、世界が絶賛する演奏者とプログラムである。
しかし、私には難しすぎるというか、リズムが合わないというか・・・、
心地よさや、染み入るようなものが感じ取れなかった。
まだまだ未熟なのかもしれない。

私が好きなショスタコービッチの曲は
Jazz Suite No.2 (6), by Dmitri Shostakovich
Piano Concerto No.2 in F major Opus 102 (2), by Dmitri Shostakovich
The Gadfly - Romance, by Dmitri Shostakovich
などである。
 


2012/02/11土 日本文学と日本文化をめぐって語る ドナルド・キーン

1922年生まれ、今年90歳、16歳でコロンビア大学に入学している天才である。
日本を心から好きで愛している様子が、体から染み出ていた。
同時に、心優しい人柄であることが遠くからでも感じとれ、誰からでも好かれるような穏やかさがあった。
日本の文学者や文化人とも交流を持ちながら、彼らと同等にそれ以上に日本の文学について研究をするには、共に歩むと言うような心の広さなくしてできるものではない。
更に、交流を持ちながら深く研究をするには、心の底から好きで好きでしようがないと思うような好奇心と粘り強い探究心なくして続けられるものではない。

紫式部になりたい
キーンさんは、平安時代の中古から近世までの文人達を愛し、文人達のような人になりたいと思ったに違いないと感じた。
(憧れる人に近きたい、憧れる人のようになりたいと思う心)
そして、昨年、日本人になった。

石川丈山の話も出た
聴講者の中で、石川遼は知っていても石川丈山を知る人は少ないと思う。
(私は仕事の関係で安城市にいたことがあり、和泉町の丈山苑を訪れたことがあって、彼の文人としての功績をたまたま知っていたので解ったが)

今、読んでいるキーンさんの本は
■日本人の美意識 ■音楽の出会いとよろこび ■私の大事な場所 ■日本人と日本文化 
 


2012/02/02木 ヴァイオリニスト龍馬 in 喜八

S氏の誘いで蕎麦を食べてヴァイオリンを聴く会へ
NHKのドラマ龍馬伝のテーマ曲を弾いたという、龍馬さんの演奏を店の中で聴くことが出来ました。

思ったことは
音楽ホールと違って、演奏者と聴衆者が間近で接近していると、場を共有しているというような雰囲気が生まれますね。
一方、プロは薄利多売をしなければならず大変でしょうが。

仕事・スポーツ・楽器
学生の頃、ある人から聞いたことがあります。
仕事で一流になることは勿論だが、楽しくてたまらないスポーツを持つこと、それと、どんな種類の楽器でもいいから演奏ができると、苦しい時や悲しい時、楽しい時など人生において大いに役立つものだと。
確かに趣味として楽器が弾けると、自分自身を心豊かにしてくれるところがあり、更に、人前で楽器が弾けるようになると、多くの人を楽しませることができます。

ギター
昨年11月、次男の結婚披露宴でギターを弾きました。
次男が好きだった映画ニュー・シネマ・パラダイス(作曲はエンニオ・モリコーネ)のテーマ音楽を弾いて、祝福してやろうと思い付いたからです。
(シチリアのトトがローマにでて名監督になる。次男は映画監督になりたかった)
ギターの楽譜をamazonで購入し練習を始めましたが、学生時代以来46年ぶりのこと、途中で本当に弾けるのか心配になったり不安になったりし苦労しましたが何とか。
(口が先行し行動が追っかけるタイプなので)
上手く弾けなかったが、新郎新婦や多くの友人、親族が笑いの中で楽しんでくれ、いい思い出をつくることが出来ました。



19歳

父の脛をかじって徳山市の楽器店でギターを買いました。
予算5,000円以内でしたが、店の人がハンドメイド(武内瑞弘)の方が音質が絶対いいと薦めてくれ、8,000円近い値段で買いました。もう帰りのバス代しか残っていませんでしたが、下宿の皆が持っている高額なギターと比較しても遜色のない音質でした。
下宿で弾いていたギターが、まさか次男の結婚の時に役立つとは想像もしませんでした。
若い時に何でもやっておくべきですね。それがなかったら決してできなかった。
(スティーブ・ジョブズが言っていたように、いつの日か役立つこともあるものです。本当に良かった)
 


2012/02/01水 敬老手帳&パス

これをどう使うか?
最初に思ったことは池波正太郎の鬼平犯科帳、火付盗賊改方長官こと長谷川平蔵。
市中御用改めはないが名古屋市内を徘徊し、改めてもう少し知ってみたい、味わってみたい、楽しんでみたいと思ったことである。
何しろ、市内が我が庭になったようなものだから、動けるうちに、気持ちがあるうちに、好奇心があるうちに・・・
今まで全く気が付かなかったことが発見できるかもしれないし。

庭といえば、
熊谷守一が、自宅の小さな庭に生息する生き物や植物の世界を、時間を掛け鋭く観察し、それらを可愛らしく抽象的にデフォルメして描いています。
「蟻は左の二番目の足から歩き出すんです」と
この根気と観察力は、熟年の穏やかな時の流れの中で優しさ素直さなくして出来るものではありません。

彼が言った印象的な言葉を思い出した。
「川には川にあった生きものが住む、上流には上流の、下流には下流の生き物がいる。
自分の分際を忘れるより、自分の分際を守って生きたほうが、世の中によいとわたしは思うのです。
いくら時代が進んだっていっても、結局、自分自身を失っては何にもなりません。
自分にできないことを、世の中に合わせたってどうしようもない。
川に落ちて流されるのと同じことで、何にもならない」
(付知川を眺めながら思っていたに違いない)

ともあれ今日は1日
映画が1000円で観られる日だ、庭に出てみるか。
灼熱の魂」、日本に生まれてよかったと思う映画でした。(この映画は観るべき)
 


2012/01/03火 新年会(桑名)

 親戚のM氏から新年の招待を受けたので次男夫妻と一緒に訪問した。

シェフ
長男が昨日から献立し、食材を調達して、料理を作っているとのこと。
見ると、ちょうど我々が到着する頃に調理が出来上がるようにと厨房で立ち振舞っていた。
暫くすると出来上がったばかりの豪華な料理が出てきた。
配置と配色にも細心の注意をした様子が分かる。
もんだいは味だが・・・、   これは美味しい、旨い。
★★★★ものだな。(しかし配偶者になる人は大変だよ!)

彼は一橋を卒業し今は超一流のA社に務めている。
子供の頃からよく知っているが、どんな時でも落ち着いていて感情を高ぶらせたところや上調子なところを一度も見たことはない、いつも冷静で自分の流儀があった。
人間、中学生の頃に、ほぼ決まるね。
 


2012/01/02月 新年会

 今年は体調不良者が4人も出た。その分、料理の分前は増えたと思ったが、後から食欲だけは旺盛な2人が駆けつけてきたので結局は・・・。

SKYPE映像
夜も10時30分頃になって(時差が15時間あるので)アメリカに在住している親戚のM社長夫妻とSkypeで、お互い映像を見ながら皆で新年の挨拶や会話をした。
顔を見ながら話をすると、健康状態や生活状況、気持ちの張り具合いなど、心情までも窺い知ることができる。本当に百聞は一見に如かずである。
それに何よりもアメリカとWebcamをしても無料だということが最高にいい。
(1963年のアメリカとのTV中継でケネディー大統領暗殺の映像の頃からすれば・・・)

親心子心
子供三人共が家庭を持ち一社会人として歩んでくれていることが、一番の親孝行だと思っている。
年末年始を心穏やかな気持ちで過ごせたことは言うまでもない。
また、日頃から何かにつけて良く訪問してくれてくれることにも感謝している。

ツバメ(子供達へ)
子供の成長は親にとって励みになる。
が、大役として社会の中で生き抜くために生きる術を学ばせ自立させることにある。
山口にいる頃。
毎年4月頃になると、ツバメが家の玄関の梁に巣作りをはじめ5,6個の卵を産み育てていた。
毎日毎日休むこともなく田圃の上空を飛び回り餌を運んでいる。
しかし、雛鳥が大きくなり羽ばたきできる頃になると、一切餌を与えなくなる時が来る。
雛鳥たちは空腹でピーピー泣き叫ぶが、餌を運ぶことはなく、外へ飛び出すように誘っている。
我慢しきれず意を決して一羽が大空へ飛び立つと、残りも次々に巣立っていった。
やがて夏が終わる頃になると親子の見分けがつかないまでに成長し、海を越えて南方のフィリピンの方まで飛び立って行く。

ツバメのように、賢い親になって欲しいものだと思っています。
(2007/3/21にも同じようなことを書いている)
 


ーーー心に残る本ーーー いつの日か読んで欲しい
「甘え」の構造 土居健郎
30歳の頃だったと思う。
多くの人が、国に、社会に、企業に、親に、甘えていると感じたことがある。
発端は何だろうと考えると、困難な時や逆境の時などにある。
励まし勇気づけ支えとなることは勿論必要だが、本人の賢さ勇気、強さが決めることでもあり難しい・・・。
理由はいろいろあるし甘えが悪いことではないが、甘やかしや甘ったれになると
ある種の人間からは、標的にされたり獲物にされたり弱者とみなされたりするなどの可能性があると思う。
反対に、甘えを持たない人ばかりだとしても難しいところがでてくるだろう。
人間が持つ二面性Ambivalentな問題であるだけに、もっと深く知りたいと思っていた時、この本と出会った。

「縮み」志向の日本人 李御寧
当時、韓国人が日本人を批判していると言って生意気だという人もいた。
しかし、彼が言うところの一つ一つのことに、間違っているとか、分かっていないとか、いろいろ批判をすることよりも
立場や状況に左右されず容赦なく鋭い指摘と論点でハッキリとものが言える、勇気がある人だと思った。
司馬遼太郎先生が「殉死」を書いている時も心のどこかで葛藤があったに違いない。が、勇気が勝っていた。

飛ぶ教室 エーリッヒ・ケストナー
勇気といえば、これ、言うことなし。
「賢さをともなわぬ勇気は野蛮であり,勇気をともなわぬ賢さなど何の役にも立たない。
世界の歴史には,おろかな連中が勇気を持ち,賢い人々が臆病だったような時代がいくらもある。
だがこれは正しいことではなかった。
勇気のある人々が賢く,賢い人々が勇気を持つときに初めて人類の進歩は期待されるのだと」

君たちはどう生きるのか 吉野源三郎
P175から書かれている、偉大な人間はどんな人か ーナポレオンの一生についてー の所が忘れられない。
特にP192から最後にかけては衝撃的で、いつまでも頭から離れなかった。
「世間には悪い人ではないが、弱いばかりに、自分にも他人にも余計な不幸を招いている人が決して少なくない。
人類の進歩と結びつかない英雄的精神も空しいが、英雄的な気魄を欠いた善良さも、同じように空しいことが多いのだ」