2023年備忘録
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2023.

2023.11/27 再興第108回院展|松坂屋美術館|松坂屋名古屋店

いつものように全て見た
全体に300号以上の大キャンバスが多かったが
なにか暗い感じで欲しいという気持ちが起きなかった

テネシーウイリアムズの「欲望という名の電車」という映画のように
余程の衝撃的な内容でもない限り興奮しない
まあ
高齢と共に欲望の美学センスがマンネリ化してきたのかもしれない

Aging Paradox のところにも書いているように
青春は本能の成熟でPassionとなり 理性の成熟でEternalとなる、が
理性というものにはマンネリが伴っている、Refreshしなければ飽きが襲ってくる
それは、画家についても言える
再興第108回院展|公益財団法人日本美術院

   

2023.07/25 川瀬巴水 旅と郷愁の風景 | 松坂屋美術館 | 松坂屋名古屋店

川瀬巴水 旅と郷愁の風景|松坂屋美術館 チラシ

若い頃、川瀬巴水のポスターを見て、死ぬまでに本物を見たいと思っていた
間に合ってよかった

いつものように一通り全てを見て、一品を選ぶのは無理だと思った
幼い頃、田舎で見たような風景が想い出されたからだ

一品ずつ、1mぐらい離れて鑑賞するのがよい
大正から昭和の頃は、電灯が普及していなかったのだろう
自然と光が調和して眩しくない
(田舎で生きたものだけしかわからない美である)

昔、Adobe の Illustrator や Photoshop を使っている頃、レイヤー Layer という機能があった
これは日本の木版画(重ね合わせ、摺師が何枚も色ごとに重ねる手法)
を真似た、応用したに違いないと思った(推測)

スティーブ・ジョブズが若い頃、川瀬巴水の作品25点を所蔵していることも知っていた
彼の審美眼に川瀬巴水がいたことは、Macintosh と同位元素だったに違いない
川瀬巴水 スティーブ・ジョブズ - Google 検索

改めてスティーブ・ジョブズに畏敬の念を抱く
‘You’ve got to find what you love,’ Jobs says | Stanford News
 

2時間近く、一緒に居たことで、思い残すことはなくなった
いつでも・・・


川瀬巴水 芝増上寺 - Google 検索
川瀬巴水 馬込の月 - Google 検索
川瀬巴水 池上市之倉(夕陽) - Google 検索
川瀬巴水 弘前最勝院 - Google 検索
川瀬巴水 松島双子嶋 - Google 検索
川瀬巴水 金剛山仙巌 - Google 検索
川瀬巴水 京城慶会楼 - Google 検索
川瀬巴水 増上寺之雪 - Google 検索
 

2023.06/20 松坂屋美術館 日本新工芸展

 いつものように、一品いただけるとして選ぶ
「染色 永久 寺島利男」に決まった

これしかない
ヒダというか、シワに覆われた奥深い穴
直感的にアレを想像した

エロ爺さん、そのものになって、この染色作品をじっと観ていると
永久に続く奥深いものに、生命の始まりを感じさせ
その美しさが見事に表現されている


動物は、快感の絶頂と引き換えに、子孫を維持する宿命みたいなものが
プログラミングされているんだなと思いきや
人間となると例外もある。宦官もあったし、LGBTQもある、人間とは奥深い・・・、まだまだ未熟者だ!

未来永劫の生命の営みは
日本の「古事記」や、西欧の「アダムとイブ」にはじまり
谷崎潤一郎「痴人の愛」「卍」、太宰治「人間失格」「斜陽」、与謝野晶子「みだれ髪」、芥川龍之介「藪の中」、坂口安吾「堕落論」、泉鏡花「高野聖」、川端康成「雪国」「眠れる美女」、安部公房「砂の女」などなど、切りがない

絵画や写真などの視覚になると偏見をもつ人がいるが、寺島利男は染色による正見で見事!
 

2023.05/01 ていねいに美しく暮らす 北欧デザイン展| ジェイアール名古屋タカシマヤ 

 ひと通り見て、日本とよく似た民芸品だなと思った
推測だが、北欧も東北も、冬が長く外出は難しい
どうしても屋内でなにかしたくなる

屋内生活に関わる家具など
美の理論のようなものがなく
無心に役立つ日常の実用品として
丈夫で長持ちするように工夫をし
より使いやすく見た目もいいものにしたに違いない

生活に密着した家具や、調度品に芸術的な美を見出した人がいた
日本の民藝運動家の柳宗悦である

人の暮らしの中にも美を求めた
生物は美を求める、なぜ美人が好きなのか? 考え出すと奥が深い・・・

 

2023.04/10 第78回 春の院展|松坂屋美術  第78回春の院展|公益財団法人日本美術院
いつものように出口まで見た
入口に戻って、一品だだでもらえるとしたら・・・選別する

深田久弥の百名山の
選定基準は、
品格と歴史と個性を備えているかである

仕事でも一緒だが
鑑賞者が今欲しているものを感知し
満足させるかである

芸術家だって、それで飯を食っているのだから
自己満足だけ私利私欲だけの作品ではだめだ
鑑賞者を気持ちよくさせ、その気にさせる、魅力がなくてはならない
それが、品格と歴史と個性だ!
(歴史ある山とは、地域住民に山の幸を恵むことで、尊び敬われる
人だとすれば、孔子が論語で言うところの仁だ、尊敬され愛し愛される性格を持っている)

ビマカリーの祈り|公益財団法人日本美術院
が気に入った

昨年、沢木耕太郎の「天路の旅人」
新潮2022年08月号 | |本 | 通販 | Amazon新潮2022年09月号 | |本 | 通販 | Amazon
天路の旅人 | 沢木 耕太郎 |本 | 通販 | Amazon
を読んだ影響が多分にある
西川一三の生き様を、旅心を知り尽くした沢木耕太郎は見逃さず、世に出した
一途に生きることは、人の心を打つものがある

深田久弥、沢木耕太郎、番場三雄が、Layerとなって同化してしまった

 

2023.02/09 入江明日香展 時空の旅人 | 松坂屋美術館 | 松坂屋名古屋店
まさに女性の描き方である
ひと通り見たあと、じっくり鑑賞する
子供ぽい少女が、通常とは、かけ離れたものを身にまとっている
常識ではない構想に漫画ぽさがあるが、一つ一つ丁寧に描かれている
人間は心のなかで
花になったり、鳥になったり、獣になったり、色とりどりに移り変わっている
そのようなことが描かれているような気がしてきた

いつから、この画風になったのか気になった
29歳で、このような自分流の画風をものにしている
芸術で生きる(個人の才覚)ことは至難の業である
そういう意味で、良かったなあと思った
(サラリーマンじゃあ分からんだろう 個人事業主の同感、共感よ)

自分のやりたいことがあり
人に頼らず
人のマネをせず
自分を信じて真面目に励んでいると
人は助けてくれる
世に出ることができて本当に良かった